IT時代の与信管理に必要不可欠なデジタル情報とアナログ情報の使い分け今月のC-Class|人材紹介サイトC-Class

【プロフィール】

杉山 和彦

1947年北海道生まれ。総合商社審査部で債権保全・回収に従事。法務部長、審査部長を歴任し社内ベンチャーとしてリスクモンスターの立ち上げに参加、代表取締役社長に就任。2004年より会長職。

社内ベンチャーからのスタート

リスクモンスターは元々、社内ベンチャーからスタートした企業なんです。
私はとある総合商社に勤務していたのですが、バブル後、全社的に直接営業部門ではない部署においても、日常の業務をサービス化して事業を立ち上げることができないか、という動きがありました。人事であれば給与計算のアウトソーシングであったり、経理部門であれば税務申告といった具合です。
当時、私は審査部に在籍しておりましたので、お取引先、とりわけ新規に取引口座を開設する際の信用力を調査する仕事をしていました。それを新たなビジネスモデルにできないかというところからリスクモンスターが始まったのです。
思ったよりも大変でしたよ。皆それなりに安定した生活をしているわけで、なんであえて新しい挑戦をしなきゃいけないのか、と思う人たちも少なくなかったですから。
ですから、まずは同志というか、このビジネスを一緒に立ち上げる仲間を探すところからスタートしたのです。

IT時代の与信管理

40人ほどいたメンバーの中から2人、31歳と29歳のアントレプレナーシップを持った若者が参加してくれました。
その2人は今の社長と専務な訳ですけれども、若くて柔軟な発想を駆使して、「これからはeビジネスの時代だ」「IT時代における与信管理とは」と積極的に提案してくれたんですね。
私にはすぐには理解できませんでした。しかし、わからないからこそチャンスがあるのではないかと考え、リスクモンスターの立ち上げに向けて動き出したのです。
リスクモンスターのビジネス上での優位性は、ITをツールとして活用した省力化、独自ロジックによる信頼性、8000社を超える会員数のスケールメリットの3点があげられます。
従来は電話や郵送によって行っていた信用調査が、ネットを使うことでより早く、より多くの情報を簡単に入手することができる。その分の空いたパワーを独自ロジックの開発に注力すればよいわけです。
私どもが提供しているのは絶対的な倒産格付け。独自のロジックによってランク分けし、ランクごとの倒産確率まで数値化しました。また、その確率は実勢値に極めて近い数値が出てきて、実績として積み上げることができました。
結果としてリスクモンスターはブランド化されステータスとなり、会員数が増える結果となったのです。

アナログ情報の重要性

では格付けにあたっては、企業のどんなところに注目しているのでしょう。
決算書のBS、PLを参照することはもちろんなのですが、それだけを見ているだけでは企業の格付けは一元的なものになってしまいます。
先日も2000億円規模の倒産がありましたが、決算書上ではとてもいい成績が出ていました。数字だけを鵜呑みにしていては、その倒産の兆候は見抜けないわけです。
ですから、決算書の他に、取引先の顔ぶれ、業種特性や地域性、法律や行政の対応などの外部要因を加味した上に、最後にものを言ってくるのはやはりアナログな情報=生きた情報なのです。
会社の雰囲気、昼休みの消灯、社長の人柄、トイレがきれいかどうか、逆に必要以上にお金をかけすぎていないか、といったところです。
社員のやる気はオフィス全体の雰囲気に出てきますし、会社のカルチャーは目に見えてわかるものです。
顔の見えないITの時代だからこそ、判断に大切になってくるものがあるのだと思います。

BPO事業における新規事業のシナジー効果

おかげさまで、会員数も8000社を数えるまでになってきました。
このスケールになってくるとさまざまな試みが可能になってくると思います。
リサーチ業務の周辺業務から始まり、リスクマネジメント、セキュリティという観点からISOやISMSの取得サポートであったり、会員同士のマッチング、企業間取引の促進といった新しいビジネスもできるでしょう。
これまで培った会員数と信頼は、これらの新しいビジネスの可能性を広げています。
BPO(Business Process Outsourcing)事業という領域の中での新しいビジネスは、本業へのシナジー効果も含め、リスクモンスターを新しいステージへ導いていくことができると考えています。