人を見る目も決算書を見る目も同じ いいところを見つけてあげることが大切今月のC-Class|人材紹介サイトC-Class

【プロフィール】

杉山 和彦

1947年北海道生まれ。総合商社審査部で債権保全・回収に従事。法務部長、審査部長を歴任し社内ベンチャーとしてリスクモンスターの立ち上げに参加、代表取締役社長に就任。2004年より会長職。

人は苦しいときにこそ成長する

私は自分の経験を振り返って、人は苦しいときにこそ成長するものと思っています。
自分自身ももちろんそうでしたし、これまで見てきた周りの人もそうであったと思います。
ですから、人を育成するときは本人の適性を考慮し、今の力量よりも少し上の部分に焦点を当てて、ちょっと難しい仕事を与えるようにしています。
その際に大切なことは、難しい仕事を与えたらあとはとやかく言わずじっと見ていること。これが結構難しいんですね。自分がやってしまったほうが早いでしょうし、やり方もスムーズかも知れません。しかしそこは、じっと我慢して見ているのです。失敗の直前までは何も言わずに見ているのです。
そうすることで本人は苦しんで、考えて成長し、自分に自信を持つことができる。この自信を持つことが大事なのです。はじめから手を貸してしまうのではなく、自分自身で解決させることによって自信を身に付けていくのです。

弊社では学生がインターンシップで働いたりしていますが、はじめは見ていて心配でしょうがない。でも2週間も経つと見違えるように成長します。若い人の伸びしろを信頼して我慢することもマネージャーの能力のひとつなのだと思います。

信頼関係あっての成長

マネージャーが人を伸ばすにはとにかく褒めること。どんな人にも必ずいいところはあるんですね。そこを見つけ出して褒めてあげる。
人と接するとき、悪いところは結構すぐ目につきますよね。でも悪いところを指摘することよりも、いいところを見つけ出してそこを伸ばしてあげることが大切なのです。
決算書の見方とも似ているのですが、悪いところはすぐわかる中で、あえてその人の持ち味を見つけ出してこその信頼関係だと思います。
いいところを見つけ出すには、まずは相手を見ることから始まります。
毎日あいさつをしたときに、プラスでもうひとつ相手に関心を持ってあげる。「今日着ている服が似合っている」とか、「ちょっと心配事でもあるの?」と関心を持ってあげると、人としての信頼関係が生まれます。信頼関係を築いて目標に共感が持てるようになると、自分は何をすればよいのか自ずと見えてくるんですね。
ですから、人を成長させるためには、いかに共感を得て信頼関係を築くか、にかかっているともいえるのです。

人は財、だから大切にするのです

弊社では設立から8年の間に、出産にあたって4人のうち3人までが産休を取っています。中には2回目の産休に入っている人もいます。そして、産休が明けてまた戦力として戻ってきてくれる。
それは職場の居心地がよいということもあるのでしょうが、本人たちの仕事を続けていきたいという想いと、その想いに応えて人材を大切にしていこうという考え方があるからだと思います。
e-ビジネスで成り立つ私どもでは、少数精鋭で成り立っているからこそ、人材はまさにヒューマンアセット=人財だと思って接しているのです。
人が活き活きと働ける職場を提供することが我々経営者の責任だと考えています。

二兎を追って、二兎を得る

以前もお話しましたとおり、この会社は社内ベンチャーからスタートしています。
ですから、設立にあたっては通常の業務をこなしながら、さらにプラスアルファの仕事としてリスクモンスターを立ち上げてきました。
経営者にはこのプラスアルファのエネルギーが必要だと思います。通常の仕事と新しい取り組み。この二兎を追って、二兎を得てきたのです。
これが片方だけに注力して、もう片方がおろそかになっていたのでは、人の賛同は得られません。二兎を追うためには、どちらに対してもそれなりの責任を果たす必要があるのです。
つまり、経営者には人より高いレベルの倫理観が求められる。ただ仕事ができるというだけではなく、EQ値=心の知能指数が高いことが求められるのだと思います。