社長も社員もパートさんも人はみな平等 感謝の気持ちを持って、経営者という使命をはたす 今月のC-Class|人材紹介サイトC-Class

【プロフィール】

長谷川 裕一

1940年、福岡県直方市生まれ。63年大学卒業後、長谷川仏具店(現はせがわ)入社。82年社長就任。2008年代表取締役会長となり、同年6月より日本ニュービジネス協議会連合会会長を務める。

独自の手腕に期待されJNB会長就任

2008年より社団法人日本ニュービジネス協議会連合会(JNB)の会長を務めさせていただいています。JNBといえば、経団連、商工会議所、経済同友会と並ぶ経済4団体の一つ。歴代会長にはNEC元会長の関本氏(故人)、アサヒビール元会長の樋口氏、という顔ぶれが続く中、前任のシダックス会長の志太氏にご指名をいただきました。
なぜ地方(九州)の企業で、オールドビジネスともいえるお仏壇を扱う私が、という気持ちもあったのですが、志太前会長にご指名いただいた理由はというと、一つ目に日本の伝統産業を新しい時代に即したビジネスとして、株式を公開するまでに成長させたことが、全国各地の伝統産業を元気づけることになるのではないかということ。
二つ目には私自身が元氣であるということ。
そして三つ目には、公の意識の軸がブレない、国家観がしっかりしているということが、この変化の時代において経営者の皆さんに安心感を与えるのではないかということを評価していただいたようです。
この期待に沿えるよう、私なりに、若い経営者の方々と接してお役に立っていきたいと思ってお引き受けしました。

何のために仕事をするのか、を考える

この三つ目の公の意識というのはとても大切で、経営者が公の意識を持っていなければ、事業活動はただのお金儲けのための手段となってしまいます。
お金儲けのみを目的としていては、結果としてビジネスは成功しないと思います。
例えば私どもでは、お仏壇は決して売るためのものではなく、ご先祖様に感謝し、敬い、一家がお仏壇の前に集まって手を合わせる場や習慣を提供するもの、理屈ではない大切なものを社会に送り出して、よりよい社会づくりを手助けするものと考えています。
ビジネスを成功させるためには、お金儲けのことよりも、それがたとえ遠回りではあっても社会への貢献といったことを考えていくことが大切だと思います。
人として生まれた意味、現在その事業に携わっている意義を問うて、それを実践してほしい。

支えてくれる周りの人たちに感謝をする

それは社内に目を向けてみても同じことですね。
人は他人を見て、比較したり差別したりします。それが欲望であり煩悩であり、悩みの根源なのですが、「差」をつくることで経営をしていてはうまくいかない。
「差」ではなく「和」。調和、ハーモニーをとって経営することが必要です。一方で事業活動は、商品やシステムの差別化をしたり、競争する必要があるし、社内には社長からアルバイトまでいろいろな立場の人がいる。
勘違いしてはいけないのは、これは役割が違うのであって、決して人の存在価値に優劣があるのではないということ。人は仏様の前では皆平等で、役割としての「社長」、役割としての「アルバイト」をやっているわけです。
ですから、私どもでは社長も、社員も、「しあわせさん」と呼んでいますがパートの方も、アルバイトの方も皆さん平等で、この人たちに支えられて会社が成り立っているという感謝の気持ちを大切にしています。この人と人の「差」を取り去ることが「さ・とり(悟り)」につながっていくわけですね。
会社を支えてくれる周りの人たちに感謝をし、責任を持って経営者という使命をはたすことが事業活動なのです。

若い経営者に向けて

私は若い経営者の人たちと接する機会がよくあります。JNBの会長を仰せつかってからは特にその機会が増えています。
若い経営者の方々が、それぞれの事業をしつつも、迷ったり、なんとなくしっくりこなかったりしているところへ、先ほどの「何のために仕事をするのか?」「支えてくれる人に感謝する」ということについてお話しすると、きっとご自身の中ではっとするんでしょうね。皆さん、私の話に賛同してくれます。
他にも現在私どもでは、文化財保存の優れた担い手の育成支援を目的として、東京藝術大学大学院 美術研究科文化財保存学保存修復専攻修士課程 卒業最優秀作品に「お仏壇のはせがわ賞」を授与させていただいております。世界に誇る日本の技術人材を育てなければいけない。
私の使命として、経営者であれ芸術家であれ、若い次世代の人たちを育て、世に送り出していく。このテーマにも力を注いでいきたいと思っています。