研究所で生まれたシーズを、市場のニーズにマッチさせる役割 今月のC-Class|人材紹介サイトC-Class

【プロフィール】

伊土 誠一

1947年北海道生まれ。71年日本電信電話公社(現NTT)入社。大型コンピュータDIPS用OS、ソフトウェア工学の研究開発に従事。00年NTT 情報流通基盤総合研究所長。03年NTTソフトウェア常務取締役 営業戦略本部長、07年代表取締役社長に就任。

超大型コンピュータからの技術の積み上げ

NTTソフトウェアという会社は、NTT研究所で生まれた先端技術のソフトウェア開発を担うために85年に設立されました。
当時はIBM社の超大型コンピュータSystem/360が花形だった時代です。インターネット時代が来るとは想像もつきませんでした。超大型コンピュータ時代からNTT研究所とともに常に最先端の技術をベースに歩んできたという自負があります。
電子交換機技術、情報処理技術、インターネット技術へと移行し、最近ではNGN(Next Generation Network:次世代ネットワーク)や3.5G (第3.5世代携帯電話)といった新しい技術を、ビジネスの分野で役立てるよう、ソリューションを提供していくことが私どもの役目なのです。

技術の細分化から、再集束の時代へ

ずいぶん昔になりますが、ベル研究所の電子式交換機No.1 ESSが登場して、ハードウェアからソフトウェアでコントロールする時代となり、通信分野も以降さまざまな技術が開発されてきました。現在では、FMC(Fixed Mobile Convergence)に代表されるように、固定通信と無線通信を再集束させ、新たな付加価値を生み出す傾向にあります。
これは、従来のインフラを提供することに意味があった時代から、インフラ+アプリケーション、もう一歩進んで、その使い方やコンテンツで競争する時代になっていることを意味しています。
世の中から、「大容量のネットワーク・インフラをどうやって使うのか? それを使ってどんなサービスを提供するのか?」が問われ、その答えを出していくことが私どもに求められているのです。
時代は、画一的な技術やサービスの提供から、顧客ごとに必要な付加価値を提供し、多様なニーズに柔軟に対応していく力を必要としているのです。

ビジネスが求める技術をチョイス

幸い、私どもは常に最先端技術の開発を支える位置にいました。そのため、最先端技術に触れ、その技術がどう世の中の役に立つのかを考えることができました。NTT研究所はやっていることが早い。例えば3D画像と音声技術を扱うサイバースペースの研究は十数年前から取り組んでいました。
こうした、最先端かつ多くの技術のストックの中から、使う側が求める技術をチョイスし、タイムリーかつスピーディに、ビジネスに活かせるよう取り組んでいるのです。
技術ありきの研究所と、要望ありきの企業の仲を取り持つ、シーズとニーズの中間に位置する重要な役割を担っているのです。
そのためには、常に技術に敏感であり、かつ市場動向に敏感でなければなりません。このことは日頃から社員に言い続けています。

これからのNTTソフトウェアの役割

設立当初は、NTT向けのソフトウェア開発、ソリューション提供を行ってきた私たちですが、現在ではNTTの技術を世に送り出すために、広くさまざまな企業の仕事を手がけるようになってきています。
ひと昔前には、現在のようなネットワーク社会、ユビキタス社会は想像することもできませんでした。これは将来を見据える上でも同じで、10年先を見通すことはとても難しい。
そうした中、企業がめまぐるしく変化するビジネス環境に対応できるよう、NTTの技術力をベースにした、より付加価値の高いソリューションをその時のニーズに合わせてタイムリーに提供することによって、企業戦略を側面からサポートしていくことが私たちの役割となっていきます。