顧客も会社もリスクを負わないビジネスモデルは長年のデータ蓄積と緻密な計算の上に成り立つ 今月のC-Class|人材紹介サイトC-Class

【プロフィール】

中村 健治

1948年、山梨県生まれ。66年に丸正通信精器に入社。71年にマイクロアビオニクスに入社し無線機の設計などに携わる。86年省電舎設立。ESCO事業の草分けとして省エネ事業に取り組む。04年12月マザーズ上場。

ESCO事業をワンストップで提供

ESCO事業というのはEnergy Service Companyの略で、利便性を損なうことなく省エネルギーに関する包括的なサービスを提供する事業のことを言います。
ただ、省エネルギーを提案しても、設備導入の初期投資がかかったり、オペレーションコストが増大してしまっては意味がありません。ですから、提案した省エネルギー対策が、顧客にメリットをもたらし、その顧客の省エネルギーメリットの一部を報酬として亨受できるようなビジネスモデルでなければいけません。
そのためにも、省エネルギーのための診断からスタートし、方策導入の計画立案、設計・施工、導入後の効果測定、保守・運営にいたるまで、一貫したサービスを提供することが重要です。
また、顧客にも私どもにもリスクが発生しないよう、事業資金の調達やファイナンスまでも含め、ワンストップでESCO事業を展開しています。

コストを犠牲にする省エネルギーでは意味がない

光熱費は当たり前に必要なものとして考えられているケースが多いのですが、内容を見直せば、いくらでも削減可能なものでもあります。
契約形態の見直しであったり、エネルギー効率の改善であったり、物量そのものの削減と、さまざまな切り口からコスト削減が可能になります。
ただ経営効率を上げるための省エネルギーですから、費用対効果を生み出すことが絶対条件。必ず導入メリットを出すしくみでなければなりません。
そのためにも、短期的な視野であったり、ごく一部分についての改善ではなく、長期的かつ総合的な提案をさせていただくことが望ましい。
例えば、ホテルで業務用シャワーで、水圧の変化にも自動対応する自動定流量節水提案をすれば、使用感を損なわず上水だけでなく、下水の削減、ボイラーの燃料削減にもつながり、一石三鳥にもなります。そういった、総合提案は照明、変電設備、空調から上下水にいたるまでを包括して、最大のコストメリットが出るようにするのです。
中には、調査依頼をいただいて、シミュレーションしてみると、初期投資を回収できないケースもありました。
そうした場合、もっとコストが安くできないだろうか、もっと性能のいいものはないのだろうか、とオリジナルで製品を作るなどして対応してきました。
すべては、費用対効果を出すための工夫。そこからすべての事業は成り立っているのです。

顧客、会社双方にリスクを生まない削減効果保証システム

何度も申し上げますが、費用対効果を出さなければ、ビジネスにおける省エネルギーは意味がありません。
導入した場合のイニシャルコストとランニングコストをシミュレーションし、徹底比較してコストメリットが出るようにします。これまで、8,000件の調査、3,100件の導入実績がありますから、比較的短時間で、データの裏づけのある正確な数値を顧客に提示することができます。
そうであっても、顧客にとっては初期投資にかかる負担や、シミュレーションどおりになるかの不安は、導入をためらわせる要因になります。そこで、私ども独自の提案をしているのが、削減効果保証システムです。
設備をリース契約とし、リース料は省エネルギー効果によるランニングコスト削減分から捻出できるよう計算して提示する。さらには省エネルギーが達成できなけではその分のコストを保証、または実現できる設備を追加保証するしくみです。
これは導入、ランニングともに顧客にとってリスクがなく、私どもにとっても安定収入につながる、双方にとって得をするビジネスモデルなのです。
これも、これまでの導入実績の裏づけ、この事業に対する自身があってこそ実現できるしくみなのです。

省エネルギーから新エネルギーへ

昨今、環境問題への意識の向上から、省エネルギーだけではなく新エネルギーにも目が向けられるようになってきています。もちろん私たちも新エネルギーに対し積極的に取り組んでいかなければなりません。
太陽光発電、風力発電などの自然エネルギーそのものはタダですが、その設備に莫大なコストがかかってしまう。私どものような小さな会社がこれらに取り組むのはとても大きな挑戦になりますから、ハードを作るのではなく、それをうまく活用していくような工夫や応用力で取り組んでいかなければなりません。
まずは、比較的設備コストが少なく、メンテナンスコストも低い太陽温水機から事業化させるよう取り組んでいきたいと思っています。 そして、これらの新エネルギーも含めた、エネルギーに関してのソリューションを提供していきたいと考えています。