会社とベクトルを共有できてこそマネジメントに責任を持てる 今月のC-Class|人材紹介サイトC-Class

【プロフィール】

井川 幸広

1960年佐賀県生まれ。映像制作会社に入社後、フリーの映像ディレクターとして独立。1990年、株式会社クリーク・アンド・リバー社を設立。「クリエイターの生涯価値の向上」と「クライアントの価値創造への貢献」を理念に、エージェンシー事業、教育・コミュニケーション事業、ライツ事業を行いクリエイターの活躍の場を提供し続ける。

セクションが増えることで会社が成長する

マネジメントとは会社の骨格そのものです。それをいかに太く、強くしていくかが会社経営の課題の一つです。また、マネジメントというのは他に対する責任を持つということです。当社ではマネジメントをする者に対しては段階に応じて責任を持たせており、当社では、GM(グループマネージャー)、DM(ディビジョンマネージャー)、SM(セクションマネージャー)とで役割を分担しています。野球に例えて言うならばGMは監督、DMはコーチ、SMは四番バッターです。つまりSMにはセクションで一番仕事を獲得できる者が就きます。その四番に責任を持たせ、時にGMがサポートしつつ、疑似経営をさせ、セクションの成長を目指しています。セクションの成長と共に、社員が成長し、四番バッターが新たに誕生すれば、新たなセクションが増えます。そしてセクションが増えることで会社が成長していきます。

 

明確なビジョンがあって人は成功する

夢を持つことは大切なことだと思います。私は23歳で独立したときに日本一のジャーナリストになろう、と思いました。では日本一というのは何なのか。自己評価では単なる自己満足に陥ってしまうので、他人の評価を基準にしなくてはならない。いろいろ考えたのですが、ギャラの額こそが一番明確な基準だとの結論に至り、まずは30歳で1,000万を超えたギャラを得ることを目標にしました。その目標を達成したら日本一のジャーナリストへのレールに乗っていると考えて良いだろうと思ったのです。
はじめは全然うまくいきませんでした。独立して1年目の年収は60万円、それも本業ではなくアルバイトで稼いだお金です。しかし、企画書を書き続けるうちに、評価をいただけるようになり、同時に1件あたりのギャラも増えてきました。また、企画だけでなく、演出の仕事や、事業企画やマーケティングへと仕事の範囲が広がっていきました。

仕事の範囲が広がるにつれて、新たにやりたいことや目標、解決したい課題が増えていきます。
ところが、当時、私のやりたいことを実現できる会社はありませんでした。
そこで、起業することにしました。

私は今、現在社長となっていますが、気持ちの上ではディレクターの延長線上です。
社長とディレクターは一見全く違うように見えますが、実は同じ点が多い。
ディレクターは、テーマに沿って企画を作成し、スタッフを集めてチームを組み、作品を作ります。完成した作品に対して多くの拍手があれば、その作品は成功と言えます。
企業の場合は目的を社員と共有し、事業を成し遂げます。拍手の代わりにお客さまから「ありがとう」という言葉と利益が還元されれば、その事業はうまくいっているということになるでしょう。

経営幹部を目指す方には、「こうしたい」という強い意志に基づく夢を持つようお伝えしたい。仕事で成功している方は、自分が40歳・50歳・60歳、それぞれのステージでどのような仕事をしているか、明確なイメージを持っており、その仕事により、どれくらいの給料を得て、どのような生活をしているかまで細部にわたって思い描けています。
そしてその夢をあきらめずに持続させること、努力を続けること、この3点が不可欠です。テクニックや技術論もあるかもしれませんが、メンタル面で言うと、そういう志向を持っている人が経営幹部の条件です。

この条件を持っている人が必ず経営幹部になれるわけではありません。
ただ、その条件を持っていない人は、経営幹部への扉の入り口にも立つことができないと思います。

会社には目的とビジョンを打ち出す義務がある

会社の中で社員が力を発揮するためには、個人の夢や目標と会社のビジョンが重なっていなくてはなりません。個人の夢の延長線上に会社の夢があり、会社の成功や成長が自分の生活に投影できるかどうかが、個人の成長にとって大切になってくるからです。
先ほどの個人の場合と同様、会社自身も夢を持っている必要があります。そしてその夢を持続していくことがとても重要です。状況に合わせて変化をすることは必要ですが、根本的なビジョンの部分は決してぶれてはいけません。そのためには、会社は社員に対しビジョンを明確に打ち出しておく必要があります。それが社員個人の人生の夢と重なるのかどうか判断してもらわなければならないからです。その上で、会社とビジョンが共有できるのであれば、社員は最大に力を発揮できると思っています。