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今月のC-Class

隅田浩司氏
交渉人

慶応義塾大学法学部法律学科、同大学院法学研究科修士課程、博士課程修了(法学博士)。 東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を経て現在、大宮法科大学院大学講師、慶応MCC(丸の内シティキャンパス)客員ファルカティ。経済法、国際経済法を専門に、交渉学および知財戦略を研究。慶応MCCにおいて「戦略的交渉力」講座の担当講師を務める。著書に「プロフェッショナルの戦略交渉術」(日本経団連出版)。『交渉学入門』(日本経済新聞出版社、共著)

隅田浩司のマネジメントカフェテリア
  1. vol.1 交渉マネジメント@

現在行っていらっしゃることを教えてください。


もともとは法律中心で特に独占禁止法の研究者としての仕事がメインです。
ずっと携わってきた中で興味を持っていたのが、法律の知識を教えることと同時に、弁護士になってからの問題解決能力を重視するアメリカのロースクールの教育でした。
特にアメリカでは盛んな交渉学を研究してみようというのがきっかけで「交渉」に携わるようになり、約7年前から交渉学を深め始めました。
そこで知ったのは、世界に通用する高度な日本の技術の普及を妨げているのは、グローバルなビジネスの中での交渉のやり方にその原因があるのではないか、と感じる場面が多くありました。知的財産権についての交渉など特にそうです。
そこで「交渉学」を研究することで、何か提言ができないか、というのが取り組みとしての第一歩だったのです。 その交渉学が、徐々に大手企業を中心として企業研修にも取り入れてもらえるようになっていったのですね。現在は様々な企業や個人から依頼を受けて研修の講師を務めています。


どういった交渉に携わって研究されたのですか?研究を続けて、何か方式や答えを導き出したのですか?


大学では、ビジネスに限らず、外交交渉など様々な分野について研究していました。
東大先端研では、特にメーカーの方から知財についてヒアリングすることが多かったですね。 そのような企業の方からご協力いただきながらリサーチを続ける過程で、「交渉は、方法論をきちんと学べば、必ずその成功確率を上げることができる」という確信を得ました。そして、日本人の特性にうまくマッチした方法論を作ってきたのですが、最近は、それが徐々に出来てきたのかなと考えています。


国民性によって「交渉」は違いますか?


かなり特徴が分かれますね。 文化が国民性によって変わるように交渉スタイルも変わります。
アメリカ人と、ヨーロッパ・イスラム圏などではスタイルが違う。韓国や中国などアジア圏でもそれぞれ違いますしね。
ただ共通する部分はあります。特に昨今はグローバルスタンダードに則った同じような取引条件でやる必要があるますから。


日本人の特徴は? 交渉ベタというイメージがありますが?


もともとは交渉が下手じゃないと思います。
近江商人の「三方良し」という考え方などは、すでに交渉学を先取りしていると思います。 この三方よしとは、自分が利益を得る、取引先が利益を得る、地域が利益を得る、取引の中でこれを実現していなければ、商人失格ということです。 同じような取引スタイルは華僑やユダヤ商人でもみられますが、このように相手を尊重する、中で自分の利益をしっかり得ることが重要だと思います。
この点、日本人の交渉の特徴は、自己主張が足りない点でしょうか。もし交渉ベタになっている理由があるとすれば、日本人が考える「暗黙の了解」は世界では通用しないということでしょう。「言わなくても伝わるでしょう」という考えは、グローバルスタンダードの交渉では捨てなければいけないと思います。
そういった点を変えていけば、日本人の交渉スキルはどんどん上がっていくはずです。


今週のプロフェッショナルシンキングQUIZ 回答

Q:
交渉相手から突然10%のディスカウントを求められたら?

@10%は厳しいので3%にしてくれと述べる
A即座に断る
Bなぜディスカウントが必要なのかを聞く

A:
B
相手から提案をされても、それに応じる義務は発生しない。
イエスかノーかで2分法で答えないのは交渉スキルのひとつ。

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