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今月のC-Class

佐藤禎之氏
経営者

1975年東京都生まれ。95年海上自衛隊航空学生入隊。29歳で辞職後、2006年に、非営利団体と企業のマッチングを行う有限会社ボランタス設立。同年12月、左右違う柄の靴下などアパレル商品を扱うミスマッチジャパン株式会社の代表取締役に就任。
有限会社ボランタス:http://www.voluntas.co.jp/
ミスマッチジャパン株式会社:http://www.littlemissmatched.jp/

佐藤禎之のマネジメントカフェテリア
  1. vol.1 事業
  2. vol.2 ターニングポイント
  3. vol.3 モチベーション

なぜ途上国への学校設立という目標だったのですか?


その目標がずっと昔からあったわけではありません。
ただ、一度きりの人生だから、人間はいつ死ぬか分からないから、色々なことにチャレンジしたいという考えは常々持っていました。
20代で、パイロットの夢はかなえることができました。 そして、自衛隊を辞めると決めたときにもう一度生きる意味を考えました。
レスキュー部隊では数十人の命を救ってきたという自負がありました。特殊部隊に入隊していれば国防に携わり、極端な話ですが、日本国民全員を救う場面に力を尽くせたかもしれない。
私は、特殊部隊を挫折してきたと心の底から思っています。
国防を託されるまでになりながら、それを拒否して飛び出してきた。 だったら、特殊部隊でできる以上のことをやらないといけないと。 その時、以前から強い関心を持っていた途上国支援、特に学校の設立に携わろうと考えました。
一度、知り合いに誘われてバングラデシュに行ったことがあるのですが、そこで世界最貧国の現実を見てきました。
その時に、富めるものと持たざる者の大きなギャップ、叫ばれる「貧困撲滅」という言葉と一向に無くならない貧困問題の矛盾やミスマッチ。 そこにトライしていこうと。
やり方も、ただ単純にチャリティでの募金・寄付は一時的なもので終わってしまう。 穴の開いたバケツに水を入れているだけで結局はなくなってしまう。穴を防ぎ、水が溜まるようにする絆創膏の役割が教育の普及だと思いました。
教育が普及・向上していけば、国全体が強くなり真のサポートにつながります。
そして、個人的な考えですが、もし将来日本が傾いたとき日本を支えてくれるのは、アメリカや現在の列強ではなく、過去現在において日本が支援した国々だと思います。
だから、自分のサポートはめぐりめぐって日本のためにもなると考えて取り組んでいます。



モチベーションの源泉は?


よく意識する言葉で、「人間は死に向かって歩いている」という言葉があります。
「結局最後は死んでしまうのに、何のために努力なんかするの?」
と自問自答したとき、喜びの瞬間を味わうために生きているんだと。
世の中には多くのミスマッチがある現実。先ほどの、貧困をなくそうという言葉と、実際になくならない現実もそうです。
そこで、「ミスマッチでもしょうがない」「それが現実」でなく、それをマッチさせていく、理想と現実のギャップを埋めていくことに挑戦したい。その挑戦を楽しんで、結果的にギャップも埋まっていく。それが何よりの喜びであり、モチベーションです。



大きな苦労を伴うことは辛くないのですか?


苦労だと思っていないんです。それは綺麗事で言っているのではありません。
苦労はしたくないと思っていますし、お金を得たいという欲は人並みにあります。
でも、それ以上に挑戦に対するモチベーションが高いのと、今自分がやっていることが「自分の役割」だと納得できているので。
人にはそれぞれ役割があると思います。
例えば途上国の支援に関していうと、企業にはお金が出せるが、人や時間は割けない。
NPOには他に負けない情熱を持った人とノウハウがあるが資金がない。
じゃあ企業とNPOがそれぞれの役割を認識し、協力し合い、結果的に最終的な受益者のためになればいいじゃないかという考えるケースがあります。
ボランタスであれば、企業とNPOのパイプ役であったり、両者が出会う機会、世の中への気付きを与えていくこと、ひとつのベクトルに向かわせること。それが役割です。
それぞれのプレーヤーがそれぞれのミッションに100%の力を出して取り組んでいるのだと考えれば、自分のミッションだけが特別な苦労とは思いません。



リトルミスマッチをどのように成長させていきたいですか?


アパレル企業のベネトンがひとつのモデルケースですね。
ベネトンもほかのブランド同様に、掲載するのは一般的なファッション雑誌が多いんですが、ベネトンの広告はモデルと自社商品を多用する一般的なものと違い、社会的に訴えてくるインパクトある広告なんです。
例えば、黒人女性の母乳を白人の赤ちゃんが飲んでいる写真とか、現実的になかなか想像がつかない写真を載せたことがあります。
その時も大きな波紋を呼んだわけですが、そういったメッセージ性の強い広告を乗せることで差別とか大きな社会的な問題を世の中に投げかけているんですね。
ベネトンのスタンスはほかの企業でもあると思うのですが、なかなかインパクトが広まらない。どんなにCSRに力を入れてもなかなか認知されない。
それは、「もの」がないからです。「もの」があると、広がっていく深さや広さが拡大します。
ベネトンはそのカラーバリエーションが有名ですが、そこに人種差別をかけている。
リトルミスマッチは「左右違ったっていいじゃないか!」「少しミスマッチだっていいじゃないか!」という想い、メッセージを持った商品。
例えば、全世界の子供たちにリトルミスマッチの靴下を履いてもらい、手をつないで写真を撮るとか。すべてがシャッフルされていて、差別・区別することなんかできなくなってしまうし、差別・区別する必要もないよね、と。
そうやって商品と広告で世の中のミスマッチをかけていって発信していきたいですね。

ベネトンや米国のリトルミスマッチが「社会貢献を食い物にしている」という声にさらされる時があるように私も批判の対象になるかもしれませんが、それはそれでいいと思います。
その反発勢力が生まれることで、第三者にまで波紋・メッセージが届くようになります。
波紋を受けた人たちが、少しでもそのミスマッチについて考えるようになったなら、その時点で成功と言えるのではないでしょうか。
ただ、「自分は間違ったことはしていない!」と言い切れるリーダーのゆるぎない信念があることが前提になると思いますし、私も、間違ったことは絶対にしません。



個人として夢や目標はありますか?


まず、必ず2015年までに途上国に学校を作ります。これは絶対です。
あとは、漠然とですが、せっかく起業したんだから、今まで見れなかったものを見たいですね。
将来的にはドバイやモナコに行って、そこにいる人達と対等に話をしたいです。
個人的にですが、世の中を操っているフィクサー的な存在は彼らだと思っています。
彼らに聞きたいんです、「どうなんだ、お前ら!?」と(笑)
その人々の中には金だけの人も居ると思います。そこに飛び込んでいって、「いいのそれで!?」「せっかくなら、こんなことやってみないか?」とか(笑)
そこで、「佐藤がそこまで言うなら乗るよ。」というシチュエーションが理想ですね。
だから、そういったコミュニティに紹介してもらえるような人間になってみたいというのはあります。



今週のプロフェッショナルシンキングQUIZ 回答

Q:
業務内で些細な失敗が続く部下のやる気を起こさせる しかり方とはどんな叱り方でしょうか?


A:
いい叱り方の一例
「なんで、○○ができたお前に、これができないんだ。」
と叱り、最後に
「お前を信じているから、この仕事を任せられるんだ。」

1.ただできないことを叱るのではなく、前に立派な仕事を成し遂げているだろうと、   過去の実績を褒めることで、相手に認めてもらっているという安心感を与える。

2.ただ「任せる」のでは無責任。「お前のことを信じている」は魔法の言葉。   普段のコミュニケーションがあってこそですが。

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